Jan 16, 2011

廃車の山を見て思う

車の墓場のような廃車の山を見つけて私はずっと立っている。多分、スクラップ工場のような場所のことだと思う。また、廃車を越えて、金属の塊といったほうが近いかもしれない。物件によっては原型を残していない車両もある。次の転生時に車のだろうか。それとも、他の金属製品のだろうか。廃車の山を見ながら、私は考える。
交通事故は二回経験しました。すべての車対車の衝突事故です。すべて私は駐車れていないため、相手に修理費を全額負担させて頂きました。当然の話だと思っていたが、知人はそちらもちょっと動いていた、等不平を言ってすることが裁判になったそうです。私は交通事故の相手が乗っていましたね。怪我もなく不幸中の幸いでした。
●出産は最高のクリエイション!

 圧倒的に男性の比率が高いゲーム業界にあって、キラリと輝くのが女性クリエイターの存在。“女性ならではの視点”や“モノの捉えかた”が、ゲーム作りに新しい可能性を拓く。ここでは、そんな女性クリエイターたちにスポットをあてて、その生きかたに迫る。第1回目のゲストは、グランディング代表取締役社長の岡村峰子さん。今回はその後編です。

※前編はこちら


Chapter03
最新作『Project Draco(仮題)』について――
『パンツァードラグーン』のディレクターが作るドラゴンのゲーム

――せっかくの機会なのでお聞きするのですが、グランディングのプラットフォーム戦略はどのような感じで? 現状、Xbox 360で『Project Draco(仮題)』なども予定されていますが……。
岡村 えーと、私自身プラットフォーム云々というのは、じつはあまり気にしていなかったのですが、私の中では、やっぱり二木の持っているカラーって、どちらかと言うと、任天堂さんよりもマイクロソフトさん寄りかな……という思いがあったんですね。

――なるほど。あくまでも人ありきでプラットフォームを決めるということですね?
岡村 はい。そういう一面はあります。もちろん私個人の志向としては、家族で遊べるものを届けたいのですが、いまゲームってセグメント化(分断化)が進んでいて、大まかにターゲットすることこそ、誰にも届かない危険性があるなあと。そこで、いろいろな人に作品を届けたいと思うと、いろいろな種類のゲームを作ることで、それぞれにアプローチするというスタンスもありかな……という気持ちが大きくなったんですね。もちろん、任天堂さんとはできる限りお仕事をさせていただいて、家族のど真ん中に届くようなものを作り続けたいのですが、一方で、ちょっとエッジの効いたタイトルを、心底ゲームが好きな人たちにお届けしたい、という思いも膨らんできた。そのためには、“二木スペシャルチーム”みたいなものを作るのも、会社としておもしろいかもしれないなと判断したんですね。

――別働隊みたいな感じでしょうかね。
岡村 私たちとしては、最初にお世話になったのは任天堂さんなので、そのへんの話も事前にご相談させていただいたのですが、「どんどんやってくれていいですよ」って背中を押してもらいました。「ひとつのコンソールにぶら下がってしまっても、こんなご時勢だからどうなるかわからない。むしろ、いろいろなことをやってもらって、そこで得たノウハウが僕たちのコンソールに返ってくれば、それこそがいいことだから」って。それで、私たちの古巣への恩返しの意味も込めて、マイクロソフトさんと『Project Draco(仮題)』を作ることになりました。

――『Project Draco(仮題)』はKinectありきの企画ですよね?
岡村 マイクロソフトさんからリクエストがありましたが、二木も新しい技術は大好きなので、相思相愛みたいなところはありましたね。マイクロソフトさんから「Kinectのタイトルでいいものがほしい」というお話をいただいて、「じゃあ、うちだったらこういうタイトルかな」ということで動き出した企画です。私は、エグゼクティブプロデューサー的な立場で関わっているのですが、ランド・ホー!さん(※4)に開発をお願いして、さらに楠木さん(※5)に加わってもらった時点で「あとは大船に乗ったつもりで任せた!」みたいな感じです(笑)。

――もと『パンツァードラグーン』のスタッフが集結という感じですね! 岡村さん的には、最初からその心づもりだったのですか?
岡村 『パンツァー』チームでいこう、と思っていたわけではないです。「やるんなら二木が考えるベストスタッフでやったほうがいいよね」という話はしていました。そこで、外部のスタッフと組んでよりよいものができるならそれでいこうという方針でいたのですが、いろんなご縁がたまたま重なって、いまのスタッフィングになっている感じですね。私も二木も元セガですし、知っている仲間となると限られちゃうところもありまして……。でも、ファンの方にもワクワクしていただければ、光栄です。

※4ランド・ホー!:1999年に設立。セガの『ダビつく』シリーズやディースリー・パブリッシャーの『ドラゴンブレイド』などを手がける。

※5楠木学氏:セガ、アートゥーンを経てフリー。『パンツァードラグーン』シリーズや『ソニックアドベンチャー』などに関わる。『Project Draco(仮題)』ではコンセプトアートを担当している。

Chapter04
ゲーム業界を目指す女性たちへ――
子どもを産むことは最高のクリエイション


――まだまだゲーム業界には女性スタッフが少ないという現状がありますが、ゲーム業界を目指す女性にアドバイスをお願いします。
岡村 結婚して、家庭を持ってからゲーム業界に来るくらいでもいいんじゃないかなと思います。やっぱり物理的にどうしても仕事が忙しくなってしまうので、自分の時間を作ったりするところで、バランスを取るのにすごく苦労すると思うんです。他業種であれ、ある程度経験を積んでおいたほうが、そのへんのバランスの取りかたもわかってきますしね。それに、いま就職難だし、まっとうなルートで就職しようとしても、正直すごくハードルが高いと思うんです。だったら、まずはゲームにつながりそうなデザインの仕事をしてみるとか、別の職種の仕事をして、まずは自分の基盤をしっかりと確保してからトライしてみるといいのではないかと。それは家庭を持つことでも構わないと思うんです。人は人脈で絶対につながるから、「ゲーム業界に入りたい」と真剣に思っているのだったら、就職活動ではなくて、人を介して入ったほうが絶対に道が拓けると思います。

――就職相談みたいですね(笑)。
岡村 ただし、そのときに必要なのが、「私はこれだけは絶対に負けない」というものをひとつ持つこと。逆にひとつでもあれば、それを元手にして新しいゲームを作ることもできると思うんです。まずは、自分の基盤を大事にしてから、ゲーム業界を目指してみてくほしいです。

――ちなみに、採用する側から見たときのポイントなんてあったりします?
岡村 時期により欲しい人はまちまちなのですが、ひとつ確実に言えることは、女の子がいると場が活性化するんですよね。

――それは間違いなくそうですねえ(笑)。
岡村 もう私はあまり女子だと思われていないので対象外なのですが、若い子が入ると、みんな一生懸命仕事をするんですよ(笑)。こんなことを言うと、スタッフに怒られそうですが……(笑)。

――あはは(笑)。そのうち恋愛相談とかされたりして……。
岡村 そういうのが来たら大歓迎です。うちは社内恋愛はぜんぜんOKですよ(笑)。むしろ、みんなもっと結婚してほしい。結婚して家庭を作って社会基盤を持ったほうが男女ともに仕事の幅が広がるだろうし、べつに、子どもを産んで産休を取ったとしても、そのあと戻ってきてくれれば、ぜんぜん構わないですし。

――そういうところに対する理解の深さは女性ならではですね。
岡村 だって、子どもを育てるのって最高のクリエイションじゃないですか。クリエイターはそこで経験値を上げられるはずなので。

――おお! ステキなことをおっしゃいますね。
岡村 しかも、いちばんのお客さんが自分の身近なところにいるわけですから。だから、おもしろいんですよ。うちの会社でも子どもがいるクリエイターといないクリエイターとでは視点がぜんぜん違う。当然のことですが、やっぱり子どもがいるクリエイターのほうが子どもに対する理解が深いんですね。「これだったら、子どもはすぐに投げ出しちゃうな。飽きやすいから」という感じで、ちゃんとリアルに見れるんです。

――なるほどなあ。
岡村 そういう意味でも、子ども向けのラインをやりたいなって思います。本当にゲーム好きな人向けのラインがあって、子ども向けのラインもあって……と、全方位に、いくつものラインをグランディングから発信していくのが、ここ最近の夢なんです。

●ゲーム屋ならではのノウハウを活かした『いっそイラスト チャイナ単語帳』

 ゲーム作りに対するこだわりを熱く語ってくれた岡村さん。そんな岡村さん率いるグランディングの最新作がiPad向けアプリ『いっそイラスト チャイナ単語帳』(発売元:小学館)。本作は、iPadならではの機能を活かし、聴いて触ったりすることで中国語が覚えられるという学習ソフト。約2400の単語/表現のすべてにネイティブの発音機能がついており、表示された単語をタップすると発音を聞くことができるようになっている。最後にPRということで、本作の魅力についてお話しいただきました。

――どのような経緯で『いっそイラスト チャイナ単語帳』を制作することになったのですか?
岡村 iPhoneやiPadでもいろいろなアプリを出したいと思っていたのですが、たまたま縁があって小学館さんといっしょにお仕事をすることになりました。こだわったのは、ゲーム屋ならではのインタラクティブ性です。「触ったら、こういうふうに気持ちいい」っていうのは、ゲーム業界以外だとなかなかノウハウがないじゃないですか。そこで私たちのほうでいろいろなアイデアを出させていただいて、とにかく「触って楽しい」とか「使ってかわいい」と感じていただけるように気を使いました。クイズとかも盛り込んでいて、iPadのアプリとしてはよくできていると思いますよ。やっぱりゲーム屋が本気で作るといいものができる。

――それはあるかもしれませんね。
岡村 私たちって、インターフェースでずっと苦労しているじゃないですか。だから、ゲームに触って、10秒20秒でいかに気持いいと遊んでくれる人に思ってもらえるかとか、レスポンスのよさをどう調整するか……なんてことを、朝から晩までずっと考えているような人たちなんで。そういう人たちが作ると、やっぱりスムーズさとか、気持よさはありますよね。

――餅は餅屋……というところですかね。
岡村 あとはコストのバランスだと思うんです。ゲーム業界ってどうしても人月計算(※)で、プロジェクトの費用がかさんでいってしまうので、社内でも「これを、空き時間で作ろうよ」というのは、なかなかプロジェクトとして通しにくい。素人さんの勢いと情熱で作られたものは、ぱっとリリースできるけど、会社として作ろうというときに、どうしても腰が重くなってしまう。でも、そこだけうまくプロデュース側で面倒を見たり、予算組みのやりかたを考えてあげれば、やりかたはいくらでもあると思うんですよね。ゲーム屋ならではの、痒いところに手が届くゲームも、もっと出せると思うんです。

※人月計算:人月はひとりが1ヶ月で行うことのできる作業量のこと。その人月を単位として工数を見積もることを人月計算という。

――つまり、iPhone、iPadならではのプロデュースの方法論があるということですね。アプリ作りの秘訣なんてあるのですか?
岡村 いまはとにかく、質のいいものを作り続けることですね。よく言われるように、とにかくアプリがたくさんリリースされているので、埋もれがちになってしまうわけですが、けっきょく目立つにはアップルストアのトップページに選んでもらうしかない。そのためにいまは、自分たちにしか作れないものを作り続けるしかないんですよね。

――いいものを作っていけばわかってもらえる?
岡村 まだ、ちゃんと届く余地はあります。それは下手をすると家庭用ゲーム機よりもまだ……。だって、家庭用ゲーム機って、いいものだから売れるという時代は終わっているじゃないですか。それはすごく切ないですけど……。

――そういう意味では、プロデューサーという立場は、いまはけっこうつらい時代なのかもしれないですね。
岡村 そうですね。「狙ったターゲットに届いているのかしら?」みたいな話は、正直ほかのプロデューサーさんとよくしますけどね。まあ、けっきょくは作り続けてきっかけを掴んでいくしかないとは思います。

【特別付録】岡村峰子さん一問一答

■お名前:岡村峰子
■誕生日:6月5日
■血液型:AB型
■出身地:大阪
■ゲーム業界歴:13年
■関わったおもなプロジェクト:『スペースチャンネル5』、『Rez』、『アストロボーイ鉄腕アトム』、『Ninety-nine Nights』、『あそべる絵本 とびだスゴロク!』
『あそべる絵本 マインドテン』
■お好きなゲーム:『ゼルダの伝説 夢をみる島』、『ミスタードリラー』、『ギフトピア』
■いま注目しているクリエイター:特定者はなし。お笑い業界じゃないけど、先達がまだまだ強い感があるので、30代クリエイターさんの活躍をすごくたのしみにしています。
■座右の銘:Move someone
■趣味:変わった鉱石をあつめること、形而上学の研究、ヒーラーのお仕事
■最近感動した映画:『シングルマン』
■好きなマンガ:『よつばと!』
■好きなアニメ:『ファンタスティック Mr.FOX』
■よく読む雑誌:国内外のいろんな雑誌をたくさん読みます
■ストレス解消方法:旅。あとは自分がヒーラーなので、自分で自分をヒーリングします。


Photograph:永山亘

【関連記事】
グランディング・岡村峰子さん「女性だからこそ作れるゲームは、まだまだある」(後編)【ゲーム業界で働く女性(ひと)たち】
Posted at 07:57 in Model | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.